不登校の児童をオンライン学習で支援!
不登校支援サービスをまるっと紹介

20万人弱とも言われる不登校の子どもたちを支援する、オンライン学習サービスが注目されています。
不登校の児童・生徒を支援するオンラインサービスでは、自宅で自分のペースで学習を進めながら、必要な要件を満たせば学校での出席と同等の扱いにすることも可能です。
オンライン学習は、不登校の子ども支援である従来のフリースクールやホームスクーリングとは異なるアプローチで効果を出しています。たとえば青森県青森市では、コロナ禍で、すべての市立中学にオンライン授業を導入したところ、出席できるようになった不登校生徒の割合が、前年度に比べて倍増したという事例もあります。この事例からもわかるように、そもそもオンライン学習(遠隔学習)は、いじめなどの人間関係や校則など、さまざまな理由から登校しなくなった生徒との相性が良いようです。
この記事では不登校の子どもたちの実情を整理しながら、オンライン学習でも出席扱いにできる要件や、代表的なオンライン学習支援サービスを紹介します。
(2022.11.04 初出 2023.06.23 更新)

不登校でも出席扱いになるオンライン学習とは?

不登校 オンライン

ここからは、不登校児の実態とオンライン学習でも出席扱いになる要件、そして実際にオンライン授業によって不登校が軽減した事例について、わかりやすく解説します。

不登校とは?【わかりやすく解説】 

「不登校」という言葉について、まずは公的な見解から整理しておきましょう。

文部科学省によると「不登校」の定義は、
病気や経済的な理由などの特別な事情がないのに、「年間30日以上欠席している」状態です。

以前は、50日以上の欠席を不登校としていましたが、1998年以降は、「30日以上」へ短縮されました。長期欠席の基準が短くなったこともあり、不登校の児童生徒は、年々増えています。

不登校の現状に関するに認識

不登校児の実態は?

不登校の児童生徒は、2016年頃から、より大きく増加しています。
文部科学省による2020年の調査では、不登校の小中学生は19万を超えて過去最多を記録。その児童生徒数は、学年が上がるほど増加している傾向があります。

ざっくりとした目安では、不登校の子どもの割合は、

  • 小学校であれば「1学年に1人」
  • 中学校であれば「1クラス(25人)に1人」

となります。

不登校の児童生徒が増え続ける状況を受け、政府は教育支援センターを中心に体制整備や支援ネットワークの整備を進めているものの、十分な体制とは言えない状況です。
そこで、人との接触を苦手とする不登校児を支援する民間のオンライン学習サービスが注目を集めているのです。

児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要

オンライン学習が不登校を解消した事例とは?

オンライン学習が、不登校の生徒に効果を発揮した事例をご紹介しましょう。

2020年度、青森県青森市では、新型コロナウイルスの拡大によりすべての市立中学校にオンライン授業を導入しました。コロナの影響で休校となった約3カ月間で実施したオンライン授業に、それまでの不登校だった多くの子どもが出席したのです。

不登校だった生徒のうち、出席できるようになった生徒の割合は、前年度に比べてほぼ倍増しました。不登校だった生徒に、オンライン授業に参加できるようになったきっかけを訪ねると、「臨時休校中、登校しないのが自分だけではないので気持ちが楽だった」「新しい学習形態に興味をもった」といった意見が寄せられたそうです。

この事例からは、不登校の生徒の多くは「勉強したい」という気持ちがあること、そして、ICTの活用で、一人ひとりの状況に応じたきめ細かな指導も可能となることがうかがえます。 遠隔教育(オンライン学習)は、このような効果もあったのです。

不登校児が出席扱いになる学習要件とは?

文部科学省では、ICTを用いたオンライン学習の出席や学習評価につき、一定の要件を満たしたものは出席扱いになるという方針を打ち出しています。
不登校児がオンライン学習で出席扱いになるための要件は、次のとおりです。

  • 学校と保護者との間に充分な連携・協力関係が保たれている
  • ICTをはじめ、郵送、FAXなどを活用した学習活動である
  • オンライン学習以外にも、教師による家庭訪問など、対面指導も合わせて行われている
  • 生徒の学習理解の程度を踏まえた、計画的な学習プログラムである
  • 校長が対面指導や学習活動の状況を把握している
  • 学習活動の成果を評価に反映する場合、学校の教育課程に照らして適切と判断できること

以上、あくまでも不登校児への「支援」と「社会的な自立」をうながす内容になっている点にご注目ください。

言い換えると、ICT端末を活用したオンライン学習活動を出席扱いにすることにより、むしろ不登校が長期化することがないような配慮も必要となります。

不登校の児童生徒向けオンライン学習支援サービス

ここから、不登校児を支援し、出席扱いになるオンライン学習支援サービスをいくつか紹介します。

認定NPO法人カタリバ

さまざまな教育支援に取り組む認定NPO法人カタリバが提供する不登校支援プログラムは、無料で提供されているのが最大の特徴です。

カタリバは2001年から活動する歴史と実績のある認定特定非営利活動法人であり、現役小学校教員などの専門家と開発したオンラインの不登校支援プログラム「room-K」を無料で提供しています。

臨床心理士や社会福祉士などのバックグラウンドを持つコーディネーターが、保護者や子どもと面談し、個別支援計画を作成します。その計画をもとに専属の支援計画コーディネーターと子どもメンターがオンラインで定期的な面談を行いながら、児童生徒と保護者をサポートします。

保護者同士がつながって悩みや困りごとを話せる「オンライン保護者会」も無料で開催しています。

room-K

  • 種別:
  • 特長:子ども一人ひとりの特性に合わせたオリジナルの時間割を作成
  • 対象:小・中学校
  • 料金:無料
  • 出席扱い:なる
  • 運営母体:認定NPO法人カタリバ
    詳しくは、運営母体にお問合せください。

すらら

不登校児童生徒を対象にしたオンライン塾を提供するすららのプログラムは、学年を超えて生徒個別のニーズに合わせて学習できるのが特長です。

アニメのキャラクターが先生となり、一人ひとりのペースで学習できる無学年方式を採用しています。それぞれの児童生徒の学習が止まっているところから再開できるのも、個別最適な学びと言えるでしょう。

授業は、生徒に質問をするなど対話形式で進められ、適度な刺激を入れながら進みます。また、AIによるフォローアップもあります。解答からつまずきの原因を分析し、AIが自動的にさかのぼって学び直しをすることができます。

すらら

  • 種別:
  • 特長:アニメのキャラクターが先生となり楽しく学習できる
  • 対象:小学校〜高等学校
  • 料金:入会金7,700~11,000円、中高コース:3教科8,228~8,800円、5教科10,428~10,978円(すべて税込)
  • 出席扱い:なる
  • 運営母体:株式会社すららネット
    詳しくは、運営母体にお問合せください。

不登校専門オンライン個別指導ティントル

不登校専門でオンラインの家庭教師を提供するのが、LIVE株式会社です。

はじめにカウンセリングを行い、趣味や将来の目標などを意識を合わせながら、生徒と相性のよい講師をマッチング。生徒一人ひとりの状況に合わせて、オンラインで個別指導を行います。

ティントルでの学習を学校の出席扱いにできるオプションサポートとして用意、学校の教科書に準拠した映像授業を提供することで学習意欲を促します。

不登校専門オンライン個別指導ティントル

  • 種別:家庭教師
  • 特長:担当スタッフによる月1回の面談あり
  • 対象:小・中学校
  • 料金:月額指導料4,400〜13,200円/スクールサポート8,800円(すべて税込)
  • 出席扱い:なる(オプション)
  • 運営母体:LIVE株式会社
    詳しくは、運営母体にお問合せください。

不登校の児童生徒を対象としたオンラインサービス

オンラインによる不登校児と保護者向けのサービスは、学習支援サービス以外にも充実しています。
ここでは、不登校についての情報を提供する「不登校新聞」や、教育版「桃太郎電鉄」を紹介します。

不登校新聞

「不登校新聞」は、1998年、NPO法人全国不登校新聞社が創刊した新聞です。不登校児の本音や親の体験記、相談先の親の会情報など、充実したコンテンツを掲載しています。

不登校児の本音では「親には語りづらい気持ち」や「学校で起きたこと」を語っており、我が子の本音を垣間見ることができます。保護者向けのコンテンツでは実用的な「生の声」が掲載されています。

不登校新聞は紙とオンライン(Web)版があり、どちらも月2回発行されています。購読料は月900円で、初月の1カ月分は無料です。

不登校新聞

桃太郎電鉄 教育版

不登校児童生徒の支援ツールとして期待されているのが、人気のゲーム「桃太郎電鉄」です。 株式会社コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)が提供する「桃鉄」が、学校教育機関向けの「桃太郎電鉄 教育版Lite ~日本っておもしろい!~(以下「桃鉄 教育版」)」として、2022年9月から教育版として無償提供をはじめました。

これまで、鉄道で日本を巡る「桃鉄」を通して地理や経済に興味を持つきっかけになったという声が多いことから、教育現場でも使えるような学習機能を追加してWebブラウザ版で提供されています。
教育現場での導入は無料で、不登校の児童生徒がオンライン学習で活用することで、不登校支援の一助となることが期待されています。

「桃太郎電鉄 教育版~日本っておもしろい!」学校向けに無償提供

不登校児向けオンラインサービスの活用ポイント

最後に、不登校の児童生徒向けオンライン学習サービスを利用する際のポイントをご紹介しましよう。

児童・生徒の自己肯定感を育む

不登校児童生徒のオンライン学習を進める上で大切なことは、「児童・生徒の自己肯定感を育む」ことです。自己肯定感とは、他人と比較せず自分の存在そのものを認めることで、「ありのままの自分を受け入れる」感覚のことです。

不登校になった原因は、いじめをはじめとした人間関係の問題や学校の規律などに対する違和感などさまざまですが、不登校の子どもの多くには「自分に自信がない」、つまり「自己肯定感が低い」という共通項が見られます。

児童・生徒の自信を取り戻すには、自己肯定感を高めるための取り組みが必要です。

自己肯定感を育むための4つのサポート

不登校の子どものためのオンライン家庭教師「夢中教室WOW!」の代表の辻田寛明氏が東洋経済オンラインのインタビューで語ったところによると、自己肯定感を育むには、次のようなサポートが効果的とのことです。

  • 自分を認めてくれる人の存在を実感できるようにする
  • 自分の良いところに気づけるようにする
  • 成功体験を積み重ねる
  • 自分が、誰かの役に立てることに気づかせる

自己肯定感を育むことで学習意欲も高まり、オンライン学習の効果も期待できるだけでなく、不登校の解消も期待できます。

夢中教室

  • 種別:オンライン家庭教師
  • 特長:「好き」を一緒に探究するフルオーダーメイド家庭教師
  • 対象:小学校〜高等学校
  • 料金:入会金/退会金0円、1コマ(60分):3,500円~
  • 出席扱い:要確認
  • 運営母体:ワオフル株式会社
    詳しくは、運営母体にお問合せください。

まとめ

  • 不登校の実態は?:
    2020年調査では、不登校の小中学生は19万を超えて過去最多を記録。
    • 小学校であれば「1学年に1人」
    • 中学校であれば「1クラス(25人)に1人」
  • 不登校児向けオンライン学習支援サービス:不登校でも一定の要件のもとに学校の出席扱いにできるオンライン学習支援サービスがある。
  • 不登校児向けオンラインサービスを活用するときのポイント:
    • 児童・生徒の自己肯定感を育む
    • オンライン授業の効果を理解する

以上、不登校の子どもを支援するオンライン学習サービスについて、わかりやすく解説しました。

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