ICT支援員のメリット4選。
初心者・未経験が挑戦できる近道とは?

ICT支援員は、次世代を担う子どもたちの育成に貢献できる、社会的意義の大きい仕事です。
文部科学省では学校でのICT活用を推進するため、ICT支援員を4校に1人配置することを目標に掲げています。新学習指導要綱が示す主体的・対話的で深い学びを実現するためにはICT教育の推進が不可欠であり、ICT支援員の存在が欠かせません。
この記事では、ICT支援員になるメリットを中心に、初心者や未経験がICT支援員になる方法をわかりやすく解説します。


 

ICT支援員のメリットとは?

 

ICT支援員 メリット

 

ICT支援員とは、小・中学校、高等学校でパソコンやタブレットなどのデジタル機器を使った授業を補佐する人材です。ICT支援員の業務内容については、こちらの記事やこちらの記事もご参照ください。

ここからは、ICT支援員になるメリットについて紹介します。

 

メリット1:社会貢献できる。

ICT支援員は、社会貢献のできる仕事です。

デジタル端末を活用した授業づくりや教職員の業務効率化などを支援することで学校教育のICT化を推進し、忙しい教員の業務負担を軽減することにもなります。

近年は教育現場だけでなく、事務職を中心に業務のIT化が進んでいます。ICT支援員が持つICTの知識や活用できるスキルは高いニーズがあり、ICT支援員になることはキャリアアップにつながるのもメリットのひとつでしょう。

ICT支援員の配備で学校に期待できる効果などは、以下の記事で説明しています。

IC T支援員の導入で期待できる3つの効果と3つのポイント。

 

メリット2:初心者・未経験者でも働くことができる。

ICT支援員は、初心者・未経験者が応募できるのもメリットです。

ICT支援員は新しい職業であり、ほかの業界から転職する人がほとんどです。仮に実務が未経験でも、専門の資格試験を取得して知識を得てから就業することが可能です。キャリアは、働きながら積み重ねることができます。

ICT支援員になるためにICT活用の基礎的なスキルは求められるものの、ICTへの関心があり、積極的に知識を習得する意欲があればそれ以上のスキルがなくても問題ありません。

むしろ、最も重要視されるのは、教職員の要望を汲み取って解決方法を考えたり、操作方法などをわかりやすく伝えたりするコミュニケーション能力です。

ICT支援員に求められる人物像については、以下の記事で詳しく説明しています。 

IC T支援員になるには?将来性と求められる人物像を深掘り。

 

メリット3:平均年齢は40〜50歳。セカンドキャリアに向いている。

ICT支援員は、セカンドキャリアに向いているというのも、メリットといえるでしよう。

ICT支援員能力認定試験を主催する特定非営利活動法人情報ネットワーク教育活用研究協議会では、ICT支援員の実態に関するアンケートを実施しています。

調査結果によると、ICT支援員能力認定試験に合格した人の「平均年齢は40〜50歳」で、「男性がやや多い」傾向にあります。

平均年齢が高いのは、セカンドキャリアとしてICT支援員の仕事を検討している方が多いと考えられます。ほかの業界で働きながら、セカンドキャリアとして次世代教育への社会貢献をしたい方に向いているといえるでしょう。

ICT支援員能力認定試験に合格した人のなかで現在ICT支援員として働いている、または業務に含まれていると回答した人の割合は48.7%で、正社員や契約社員が多くを占めています。

ICT支援員の経験年数別では10年以上が最も多く、経験を積んでから資格を取得する人が多いという結果が出ています。

 

メリット4:将来性がある。

なんとていっても、ICT支援員はニーズが高く、将来性のあるというのが大きなメリットといえるでしょう。文部科学省では教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018〜2022年度)で、4校に1名の割合で支援員を配置する目標を設定していましたが、実際の配置状況は都道府県・市区町村とも半数未満にとどまっています。そのため、ICT支援員のニーズは今後も拡大し続けるといえるでしょう。

また、学校教育法施行規則の改正により、ICT支援員の職務内容が規定されたこともメリットのひとつです。法的根拠を与えられたことで、職場での地位がより明確になります。

ICT支援員の役割については、以下の記事も参考にしてください。

学校におけるICT支援員の役割とは?

 

初心者・未経験がICT支援員になる近道は?

初心者や未経験者がICT支援員になるには、いくつかの方法があります。

「学校・自治体の募集に直接応募する」、「一般の求人サイトやハローワークでの募集に応募する」といった方法以外に、特に初心者や未経験者がICT支援員になるために近道となる方法を紹介しましょう。

近道1:資格をとる

ICT支援員になるのは未経験でも可能ですが、応募の際は資格を取得、または勉強しておくと、実際の業務についたときに有利です。

ICT支援員の応募で有利に働くものとして、主に以下の資格があげられます。

■ICT支援員能力認定試験

ICT支援員能力認定試験は、2013年からはじまり、年2回実施されている民間試験です。

受験資格は原則として20歳以上で、教育現場におけるICT支援員を志す人であれば、未経験でも受験できる資格です。

試験では、ICTの扱いに関する実務知識を問われる「A領域」と、教育現場でのコミュニケーション能力が問われる「B領域」という2種類の試験が実施されます。

試験に合格すると「ICT支援員認定証」が授与されます。さらに本資格の取得者で実務経験のある人を対象にした、ICT支援員 上級認定試験も用意されています。

■ITパスポート保有者(旧制度の初級シスアド含む)

ITパスポートは、国家資格です。情報処理技術者試験のひとつで、ITの基礎知識を身につけていることを証明する資格であり、資格情報処理に関する知識と技能が認定されます。

受験は全国で、CBT方式(コンピュータを利用して実施する試験方式)により、随時、実施されています。

■Google for Education認定教育者資格 (レベル1以上)

Google for Education認定教育者資格とは、Googleが発行する教員向けの認定資格です。教育者レベルはレベル1・レベル2・認定トレーナーの3段階に分かれ、Google for Educationの各種サービスの基礎知識や、授業における具体的な活用方法についての理解度を証明できます。

■Microsoftオフィス中級レベル

Microsoftオフィス中級レベルは、「Word」「Excel」「PowerPoint」などのソフトに関する知識、スキルに関するレベルのことです。

ソフトごとに試験を受ける認定試験「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」もありますが、試験を受けなくても、基本操作以上のスキルがあれば中級レベルといえます。

スキルの目安としてExcelを例にすると、次のようなスキルがあれば中級と同等レベルとされます。

  • 見やすい表グラフ作成や図面描画ができる
  • シート操作(表示固定、セル結合、データの並べ替えなど)ができる
  • 基本的な関数(SUM・IF・VLOOKUP・SUMIF・COUNTIF)ができる
  • ピボットテーブルが作れる。

 

近道2:研修制度が充実している委託事業者(民間企業)に応募する

ICT支援員になるには、派遣を行っている委託事業者(民間企業)に応募する方法もあります。

事業者を選ぶときのポイントはふたつ。「研修期間」と、「文部科学省のポータルサイトの登録の有無」
です。

研修は充実しているか?

業務委託として雇用される場合、ICT支援員の研修は委託事業者(民間企業)が実施します。

研修内容は、事業者によってさまざまですが、未経験者の場合は、充実した研修を行っている業者を選ぶことをおすすめします。

たとえぱ、随時、ICT支援員の募集を行っているKDCでは、研修制度が充実しています。

座学を最大10日前後実施し、業務の流れや報告書などの様式を基礎から学びます。その後、約1か月かけてOJTを行い、実際の業務の流れを身につけ、入社から約3ヵ月でひとり立ちするという流れです。

さらに研修後は、次のような資格取得を支援する制度も設けられています。

  • ITパスポート
  • ICT支援員 能力認定試験(ICT支援員としての能力認定をする「ICT支援員認定証」を取得するための検定試験)
  • 教育情報化コーディネーター
  • Google認定教育者レベル2

文部科学省のポータルサイトに登録されているか?

信頼できる事業者を選ぶときの目安として、ICT活用教育アドバイザー事業ポータルサイトの「学校ICT化サポート事業者」への登録があるかどうかも、指針のひとつになります。

このポータルサイトは、文部省が運営する学校のICT化を支援する人材の情報提供をしているサイトです。このサイトに掲載されていることによって、文部科学省が認定している事業者かどうかの判別がつきます。

ちなみに、KDCは同ポータルサイトへ登録されています。

 

まとめ

  •  ICT支援員のメリット:
    • ICT支援員は社会貢献ができる仕事
    • 初心者・未経験者でも応募できる
    • セカンドキャリアに向いている
    • 将来性がある
  • 初心者・未経験がICT支援員になるには?:
    • 学校・自治体の募集に直接応募するか、委託業者に登録して派遣される方法がある
    • 資格を取得すると採用に有利
    • KDCは研修制度が充実している
  • 初心者・未経験がICT支援員になる近道: 
    • 「ITパスポート」、「ICT支援員能力認定試験」、「教育情報化コーディネーター」、「Google認定教育者レベル1.2」などの資格をとる
    • 研修が充実しており、文部科学省のポータルサイトに登録されている事業者に、直接、応募する。

 

以上、 ICT支援員のメリットについてご紹介しました。詳しくは、次の記事もご参照ください。


ICT支援員の導入で期待できる3つの効果と3つのポイント。

ICT支援員になるには?将来性と求められる人物像を深掘り。

学校におけるICT支援員の役割とは? 有利な試験や類似職種を深掘り

 

【ICT活用支援サービスのご紹介】

KDCでは、学校のデジタル化をはじめ、ICT活用支援サービスを提供しています。

  • 授業活用支援
  • 校務支援
  • 各種研修(授業支援アプリ活用、情報モラル)

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