2023.07.14 (金)

BYODとは? 教育の現場で導入されている
BYODについて、わかりやすく解説。

BYOD(ビー・ワイ・オー・ディー)とは、個人が所有する端末を、企業や教育の現場で活用する試みです。企業で始まったこの取り組みは、GIGAスクール構想が実用段階に入ってから、学校教育の現場でも広まっています。GIGAスクールの旗印である、全国の子どもたちが「1人につき1台のICT端末が配備された環境で学ぶ」という環境を実現する仕組みのひとつとして注目されているのです。
2021年9月時点で、スマートフォンは国民の86.9%、とくに10~20代では約98%が所有しているというデータもあります。BYODは、この広く行き渡った個人端末を利活用するという、逆転の発想ともいうべきユニークな試みです。
この記事では、GIGAスクール構想を推進するBYODについて、その言葉の意味から、BYODを導入するメリットと注意点までをわかりやすく解説します。
(2022/12/20初出 2023/7/14更新)

BYODとは?【わかりやすく解説】

BYODとは?

ここからは、BYODという言葉の意味をわかりやすく解説していきましょう。

BYODの読み方は?

BYODとは、「Bring Your Own Device」の頭文字を組み合わせた言葉。
そのまま「ビー・ワイ・オー・ディー」と発音するのが一般的です。
直訳すると「自分の端末を持ち込む」となります。

もともとは「飲食店に自分の酒を持ち込む」ことを「BYOD」と言っていました。転じて、
「個人が所有するスマートフォンやタブレットを業務や学校教育に使用する仕組み」という意味で使われるようになりました。

BBYODは、企業で、社員の端末を業務に利活用するためのアイデアとして広まりました。
この仕組みのユニークな点は、企業が提供する端末ではなく、社員が所有している端末を、企業の業務に利活用するところにあります。すでにあるリソースを利活用するという逆転の発想です。

学校教育におけるBYODの現状は?

BYODは、GIGAスクール構想を受けて、学校でのICT端末の整備が求められるようになると導入が始まりました。
全国の小学校から高等学校までの子どもたちに、「1人1台端末」の配備を目指した文部科学省の取り組みであるGIGAスクール構想。2021年度には全国の小中学校への「1人1台端末」配備がほぼ完了しており、2022年度中には高校への配備が完了する予定です。

全国の学校に配備されているICT端末には、BYOD端末も含まれています。しかしながら、2022年度2月の文部科学省の調査によると、高校におけるBYODの活用状況は、都道府県の方針によってばらつきがみられます。

配備されたICT端末の内訳でBYODを半数近く、または半数以上活用している都道府県は、次のとおりです。

北海道/福島県/茨城県/埼玉県/東京都/神奈川県/長野県/滋賀県/京都府/奈良県/鳥取県/島根県/岡山県/広島県

公立高校BYOD端末普及率
政令指定都市別BYOD端末普及状況

「高等学校における学習者用コンピュータの整備状況について(令和4年度見込み)」(文部科学省:2022年)

BYOD 、CYOD、BYAD、それぞれの特徴は?

BYODと似たような仕組みに、CYOD(Choose Your Own Device)とBYAD(Bring Your Assigned Device)があります。
比較しながら、それぞれの特徴をご紹介しましょう。

  • BYOD(Bring Your Own Device)=生徒の個人端末を学校に持ち込む
  • CYOD(Choose Your Own Device)=学校側が、複数の端末の機種を指定して、生徒はそのなかから自分の端末を選択、購入して学校に持ち込む
  • BYAD(Bring Your Assigned Device)=学校が推奨した端末を生徒が購入して学校に持ち込む

いずれも、端末の費用を負担するのは、生徒と保護者です。ただしCYOD、BYADに関しては、学校が購入のあっせんを行います。
近年では、BYODよりもBYADを採用する地域も増えています。ただし最も広義の意味をなすのがBYODですので、この記事では、CYOD、BYADも含めてBYODとして紹介していきます。

教育の現場でBYODを導入するメリット

ここからは、教育の現場でBYODを導入するメリットについて考えていきましょう。

BYOD導入による学校側のメリット:コストが削減できる

BYODのメリットとして最初にあげられるのは、学校側のコスト削減です。
2021年のデジタル庁の調査によると、10代のICT端末の所有率は、次のようなものです。

  • 10~20代のスマートフォンの所有率 98%
  • 10代のパソコンの保有率 59.3%
  • 10代のタブレット端末の保有率 31.9%

加えて、クラウドサービスを利用すれば、端末固有のOSにこだわらず情報がやりとりできる時代になっています。

生徒所有のICT端末をBYODとして活用すれば、学校側が数百台から、時には数千台にもおよぶ新しい端末を支給する必要がなくなります。
加えて、端末購入代金以外に発生する運用時のランニングコストや、それらを管理する担当教員の負担も軽減されます。

BYOD導入の生徒側のメリット:操作に慣れている

教育現場にBYODを取り入れることは、生徒にも恩恵があります。

BYODを採用した場合、生徒にとっては、複数の端末を使い分けるという煩わしさから解放され、操作に慣れた端末で授業に参加できるようになります。
ICT端末の操作に時間を取られるのではなく、文房具の一種としてICT端末を活用することで、授業そのものに集中することができます。

教育現場におけるBYOD活用の注意点

最後に、教育の現場にBYODを導入した場合の課題や注意点について考えていきましょう。

教育BYODの注意点:ルール化

教育の現場にBYODを導入する場合の注意点、その1つ目はルール化の必要性です。
2018年から2020年まで、東京都教育委員会は「都立学校スマートスクール構想の実証研究のためのBYOD研究事業」を実施。都立高校から10校のモデル校を選び、BYODの実現に向けた実証実験を行いました。この実証実験で真っ先に実施したのが、端末利用時のルールづくりでした。

ルールとは、「有害なプログラムをダウンロードしない」、「ウィルスソフトは最新版にしておく」「SNSで誹謗中傷を行ってはならない」「IDとパスワードは安全に管理する」といったITリテラシーの啓もうも含めた内容です。
端末の個人の端末であるからこそ、いちばんはじめに厳格にルール化する必要がありました。

また、生徒の端末の性能によって、動画が見られないなどの情報格差が生まれたり、通信障害が起こったりする可能性にも配慮しました。

教育現場にBYODを取り入れる場合は、学校側は、幅広い端末に対応できるICT環境を整え、生徒の端末によって教育格差を生まないための配慮が求められます。

教育BYODの注意点:端末の費用負担

教育の現場にBYODを導入する場合の注意点、2つ目は、BYOD端末の購入費用についてです。

小・中学校での端末購入代金は、自治体などが費用負担を行い保護者負担はありませんでした。しかし高校の場合は、地域によって、自治体負担と保護者負担に分かれています。

「教育格差をなくす」というGIGAスクール構想が掲げる本来の理念に基づけば、端末が買えないという理由から教育格差が生まれるようなことがあってはなりません。

教育の現場では、保護者の経済的な理由から端末購入が難しい場合、三重県の例のように学校の端末を貸与するなど柔軟な対応が行われています。

教育BYODの注意点:セキュリティ対策

BYOD利用にあたりもっとも注意しなければならないのは、セキュリティ対策です。

クラウドは、利便性が高い半面、セキュリティ面での不安も根強く残ります。
生徒の端末が紛失、盗難、破損などで使えなくなった場合も、遠隔操作で端末情報を削除して情報漏えいを防ぐといったような設定が求められます。

まとめ

  • BYOD:
    個人が所有するスマートフォンやタブレットを業務や学校教育に使用する仕組み
  • BYOD導入のメリット:
    コスト削減と、ICT担当教員の負担軽減
  • BYOD導入の注意点:
    「利用時のルールづくり」「セキュリティ対策、トラブル対策」

以上、BYODの意味、メリットと注意点についてご紹介しました。

そのほかBYODについて、次のような記事もあります。

BYOD(持ち帰り学習)? BYAD? GIGAスクールにおける端末運用の現在地。

BYODを高校に導入する5つのメリット、3つのリスク。

 

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