GIGAスクール運営の課題を深掘りして、
学校のICT化を円滑に!

GIGAスクール構想が次の段階に入っています。文部科学省が2019年に提唱したGIGAスクール構想、「生徒ひとり当たり1台のICT端末を整備して、最適な学びを得る」という計画は、2021年には、全国の小・中学校に、90%以上の割合で「1人1台のICT端末」が行き渡ることで、ひとつめの目標を達成しました。
GIGAスクール構想が実用段階に入ってからは、さまざまな課題が表出しています。文部科学省は、小・中学校へ導入したICT端末の運用支援を行なう、「GIGAスクール運営支援センター」の設置を決定。
同センターは、2022年度には、総額215億円の予算が計上されています。
この記事では、運用段階に入ったGIGAスクールの課題について、深掘りします。

【おさらい】文部科学省、GIGAスクール構想とは?

GIGAスクールイメージ

この項目では、GIGAスクール構想の主旨についておさらいしましょう。

GIGAスクール構想とは?

GIGAスクール構想とは、「全国の生徒ひとりに対して1台のパソコンが行き渡り、多様な個性を生かした学びを実現する」というICT教育にフォーカスした提言です。2019年に、文部科学省が、新しい学習指導要領を受けて提唱されるようになりました。
「1人1台にICT端末」というフレーズがひとり歩きしている傾向がありますが、端末は、あくまでも新学習指導要領が目指す「主体的、対話的な学び」を実現するツールに過ぎません。

「GIGA」とは、「Global and Innovation Gateway for ALL」の頭文字からとった造語です。「世界的、包括的な新しい仕組みを体験する機会を、すべての児童にもたらす」といった意味合いがあり、その根底には、「教育の格差をなくす」という理念があります。

GIGAスクール構想の実現度は?

文部科学省が掲げたGIGAスクール構想に基づき、全国の学校で、2020年から2021年にかけて1人1台のICT端末の配備が急ピッチで行われました。

文部科学省が全国の公立小中学校に実施した調査「GIGAスクール構想に関する各種調査の結果」によると、2021年7月時点で、全学年または一部学年で「ICT端末を使っている」と回答した小・中学校は、96%を超えています。つまり、小学生・中学生へのICT端末導入に関しては、ほぼ100%の割合で配備が整ったといえるでしょう。

皮肉なことに、この高い実現度の影には、コロナショックがあります。学校への登校が制限されたコロナ禍が、オンライン授業を後押ししたのです。2022年現在、GIGAスクール構想は、運用段階に入ったといえます。

GIGAスクール運用時の課題とは?

GIGAスクール構想を受けて端末を導入した後には、課題も急増しています。ここからは、運用段階に入ったGIGAスクールの課題について考えいきましょう。

GIGAスクール構想の課題、ベスト5

さきほどもご紹介した、文部科学省が全国の公立小中学校に実施した調査「GIGAスクール構想に関する各種調査の結果」から、GIGAスクールの運用時の課題をご紹介しましょう。
小・中学校の課題ベスト5は次の内容でした。

  • 家庭の通信環境(47.2%)
  • 端末の管理・運用(47.1%)
  • 学校の学習指導における活用(39.8%)
  • 教員のICT活用指導力(35.8%)
  • ICT端末持ち帰り学習の課題(32.3%)

一方、高等学校における課題ベスト5は、こちらです。

  • 端末整備(76.6%)
  • 教員のICT活用指導力(70.2%)
  • 端末の管理・運用(46.8%)
  • 学校での学習指導での活用(46.8%)
  • 学校の学習指導以外での活用(34.0%)

これらの調査からは、端末を導入したもののその使い方がまだ手探りの状況であることがわかります。
端末を使った授業デザインや指導力に不安があるほか、端末の管理に関する課題が目立つからです。
生徒は、端末を持ち帰るほうが良いのか? 持ち帰らず、学校で管理するほうが良いのか?
端末を学校が提供するほうが良いのか? 生徒の端末を利活用するほうが良いのか?
それぞれのルールは、学校によって異なります。

端末を持ち帰った場合は、「家庭のネットワーク環境によって予習復習ができない」、「端末が故障したときに対応できない」、「充電せずに学校に持ってきてしまい授業で使えない」といった声も寄せられています。

端末の破損や紛失に対応するのは誰?

同じく、2021年度の調査から、端末の管理、なかでも端末の破損や紛失についての割合をご紹介しましょう。

端末台数9,395,658台に対して、破損、紛失台数は、0.2%でした。
今後、より端末の整備が進めば、このパーセントはあがっていくことでしょう。

こうした端末のトラブルに対応するのは、学校内でICTを担当する教員であることが少なくありません。

しかしながら、ICT教育の授業デザインから端末のトラブル対応まで、教職員がひとりで担うというのは負荷が大きすぎます。
さまざまな業務で忙殺される教職員の負担を減らすためにも、ICT支援員やヘルプデスクなどICT教育を支援する民間の人材の確保が急務だといえます。

GIGAスクール構想を支える人材とは?

この項目では、GIGAスクール構想を実現するために欠かせない、学校の教職員を支援する人材に焦点を当ててご紹介します。

【GIGAスクールを支援する人材】ICT活用アドバイザー

文部科学省が手配するICT活用アドバイザーは、全国の教育委員会などの自治体に対してICTを活用した指導方法など、教育の情報化に関して、全般的な助言や支援を行います。

  • 想定される人材:大学教員や先進自治体職員など、ICT教育の知見を有する者など
  • 主な業務内容:ICT環境整備の計画、端末・ネットワーク等の調達方法、セキュリティ対策、ICT活用に関する助言など

【GIGAスクールを支援する人材】GIGAスクールサポーター

GIGAスクールサポーターは、全国の教育委員会などの自治体が文部科学省の補助金を活用して、サポーターを募集、配備して、学校内のICT環境を整備するために初期対応を行います。

  • 想定される人材:民間企業のスペシャリスト、ICT企業OBなど、ICT環境整備の知見を有する者など
  • 主な業務内容:ネットワーク環境整備(管理)、セキュリティ環境整備(管理)、オンライン学習時のシステムサポート、ヘルプデスクによる遠隔支援、ICT端末などの使用マニュアル制作、ICT運用ルールの策定など

【GIGAスクールを支援する人材】ICT支援員

ICT支援員は、全国の教育委員会など自治体が、地方財政措置を活用して支援員を募集・配置し、学校内で日々利用されるICT活用の支援を行います。

  • 想定される人材:業務に応じて必要な知見を有する者、ICT資格保持者など
  • 主な業務内容:授業計画の作成支援、ICT機器、アプリの準備・操作支援、ICT端末の障害一次対応、校務システムの活用支援、ICT端末のメンテナンス、研修支援など

まとめ

  • GIGAスクール構想:
    「全国の生徒ひとりに対して1台のパソコンが行き渡り、多様な個性を生かした学びを実現する」という文部科学省の提唱する構想。その根底には、「教育の格差をなくす」という目標がある。
  • GIGAスクール構想の進捗状況:
    2022年現在、義務教育での1人1台のICT端末配備はほぼ完了。
  • GIGAスクール構想の運用時の課題:
    端末を整備すれば、ICT端末の破損や紛失といった問題は、今後ますます増大する。その対応をICT担当者教職員だけに頼るのは現実的ではない。教職員の負担軽減のためにも、IT専用の担当者が必要。

GIGAスクールを運用する上で問題となる人的リソースの不足は、民間事業者のヘルプデスクを利用することで補うこともできます。
ヘルプデスクであれば、メールや電話で問い合わせに対応してくれます。ちょっとした疑問も気軽に尋ねることができます。日常のICT業務は多岐に渡るため、ICT支援員とヘルプデスクを併用する学校も少なくありません。

KDCのヘルプデスクには、ICT支援員やシステムエンジニアなどICTのプロフェッショナルが常勤しており、端末のトラブル対応からアプリの基本操作まで幅広く支援します。

ICTの運用でのお困りごとは、ぜひKDCのヘルプデスクをぜひご活用ください。

参照元(以下、文科省PDF)

  • GIGAスクール構想に関する各種調査の結果